2019年夏イギリス旅行記

2019年夏イギリス旅行記⑨ポスタル・ミュージアムの博物館で歴史と猫にふれる

2019年の7月~8月にかけて行ったイギリス旅行を振り返ります。
(※当時と今では色々と事情が変わっていると思います。あくまでも2019年の旅行記としてお読みください)

2019年夏イギリス旅行記①旅行計画

2019年夏イギリス旅行記②東京からロンドンの移動にJAL041便を選ぶ理由

2019年夏イギリス旅行記③JAL041便エコノミークラスで羽田からロンドンへ

2019年夏イギリス旅行記④超スピードの入国審査

2019年夏イギリス旅行記⑤ヒースロー・エクスプレスに乗ってパディントンへ

2019年夏イギリス旅行記⑥気温39度!猛暑のロンドン~リアル・フード・マーケットのフレッシュジュース

2019年夏イギリス旅行記⑦ポスタル・ミュージアムで念願のMail Railに乗車

2019年夏イギリス旅行記⑧「ヴィクトリア朝のメール・レール」を見学したのち、鉄道郵便局員体験をする

ポスタル・ミュージアムの博物館を見学

メール・レールの建物を出て道路を挟んだ博物館側に向かいます。

この日は気温39度という猛暑のロンドンに苦しみましたが、そのかわり気持ちがいいくらいの雲一つない空。
どこをとっても絵になる景色で、晴天のロンドンの写真をたくさん撮れたのは嬉しかったです。体力と引き換えですが。


博物館側に戻ってきました。
入り口には郵便ポストのアート?

イギリスの郵便システムを変えた劇場経営者

博物館では、様々な展示とともにイギリスの郵便や通信の歴史をたどることができます。
これは18世紀のメール・コーチ。

詳しくはこちらに書かれていますが、下のようなメール・コーチ(郵便馬車)を用いる前は、馬に乗った配達員が郵便局間を移動して郵便物を届けるシステムで、公共の郵便サービス業務が始まった1635年から約150年間ほとんど変わることがありませんでした。


郵便配達事情を大きく変化させた立役者は、バースの劇場経営者ジョン・パーマー。

劇場間で役者や小道具の移動に馬車を利用したシステムを組織化していたパーマーは、これを郵便事業に応用し、郵便サービスを改善できると考え、1782年ロンドンに赴きます。

当初は郵便局の上層部の猛反対にあったが、ウィリアム・ピットが許可を与え、1784年8月2日、パーマーの費用で郵便馬車を用いたブリストルからロンドンへの郵便実験が行われます。

実験の結果は、これまで36時間かかっていたブリストルーロンドン間の郵便輸送を、わずか16時間で達成するというものでした。
パーマーは自らのアイディアが郵便サービスの改善に大きく貢献することを証明してみせたのです。

イギリスの郵便事情が大きく変わった歴史をたどるのも興味深いものです。

大きいお友達も楽しめる体験コーナーあり

ところでこの博物館は見るだけじゃなく体験型の博物館にもなっています。
その中の一つが昔の郵便局員のフロックコートを着るコスプレ体験。


なんと、コスプレ体験ゾーンの写真を取り忘れてしまったのですが(コスプレ写真はある)、上の写真の緋色のフロックコート(写真は展示用)を着ることができました。

ポスタル・ミュージアムのちらしでもこのように宣伝しています。

「子どもには絶対におすすめの体験(それから大きいお友達にもね)!

よかった、大きいお友達も色々体験してもいいって…!

ポスタル・ミュージアムわかってる。

(実際、メール・レールとか大きいお友達ばかりだったよ)

おかげで私も無事エドワーディアンの郵便局員体験ができました。

他にも歴代の郵便ポストが展示されていたり、自分の顔写真で切手を作ったりなど、色々なコーナーがありました。

そして待ちに待ったショップへ!


もうね、ディスプレイがめっちゃオシャレ。

日差しが気持ちいいです。青空にディスプレイが映えます。
ショップはそんなに大きくはないけど、色々と見てまわるのも面白いです。

ショップで目立ったのが猫のグッズ。
こちらは猫のぬいぐるみ。隣にはネズミのぬいぐるみ…。


これは適当に猫グッズが置いてあるわけじゃなくて、ちゃんと郵便の歴史に関係があるのです。

くわしくはこちらのページに解説がありますが、猫は昔から郵便局でネズミ捕りとして活躍しており、1868年9月には正式にネズミ捕りとして任命されることになります(ただし、もっと前から活躍していたのはたしか)。

猫たちは使用期間中にきちんと成果を上げ、昇給も果たした。
しかし、1952年になると、郵便局で働く猫たちが1873年以来昇給していないという驚きの事実が世間をにぎわせます。

その翌年、郵便局長補佐のL.D. Gammansは、彼の管轄の郵便局の猫たちの手当が最後に上がったのはいつかを下院で問われました。

Ganmansが答えていわく、
「1918年7月以降、賃金は凍結しているが……猫たちから苦情は出ていません!

このやりとりの議事録が今も残されています。

1984年に最後の「郵便局猫」が亡くなると、それ以降郵便局本部で働く猫はいなくなりました。

郵便局の猫の歴史はポスタル・ミュージアムの展示でもたどることができます。
そしてその面影はショップでも感じられます。

長くなりましたが、ポスタル・ミュージアムの記事はこれで終わりです。
(まだ滞在初日の午前中だけど…)

ところでこの記事を書くにあたって、ポスタル・ミュージアムのHPに何度もお世話になったのですが、情報が充実していてすごく面白かったです。
記事の中にもいくつかリンクを貼ったので、興味のある方は読んでみてください。
写真や絵を見るだけでも面白いと思います。

さてこの後は、予約しているある場所へと向かいます。

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