ディケンズ

ディケンズという可能性

あなたはディケンズを知っていますか?

いや、いいんです。そんなに気を使わなくても。

え?知ってる?え?けっこう好き?………このあとお茶でもどうですか?

チャールズ・ディケンズを広辞苑(第六版)で引くと、

イギリスを代表する小説家。ヴィクトリア朝の英国社会を諧謔と共感を込めて描いた。

と出てくる。

→イギリスを代表する小説家

…でも、そのわりに日本での知名度は少ないのでは・・・・・・どきどき・・・

 

アカデミックの世界にいると、ディケンズは知名度のある大物作家です。

読書好きな人なら、『大いなる遺産』や『オリバー・ツイスト』などの代表作を読んでいるかもしれませんし、舞台やミュージカルが好きな人なら『クリスマス・キャロル』や『二都物語』を思い浮かべるかもしれません。

でも、現実として、ディケンズって誰?と聞かれることも少なくありません。

悲しい・・・けれど現実は見つめなければ。

そして昨今のヴィクトリア朝ブーム、文豪ブームの中でも完全に置いてきぼりをくらっているような印象のディケンズです。

欧米圏の映画やドラマ、ゲームではヴィクトリア朝の世界観の物語だと、ヴィクトリア朝の象徴的存在としてディケンズが出てくることがけっこうあります。

でも、日本では、正直、ほとんど見たことがない・・・。

ヴィクトリア朝の世界観はこんなに人気があるのに・・・。

正直、日本ではほとんどホームズ先輩一択です。(ホームズ大好きですよ)

これだけヴィクトリア朝ものや文豪ものが流行っている現代日本で、

正直ディケンズの認知度は、残念ながら低いと言わざるをえない。。。

 

ディケンズが生まれたのは1812年で、1870年に亡くなりました。

ヴィクトリア女王の在位が1837年から1901年なので、ディケンズが生きた時代はざっくりと分けるとヴィクトリア朝の前半にあたります。

しかし、ヴィクトリア朝と聞いて思い浮かべるのは、どちらかというとディケンズ亡き後の時代、1880年代から90年代の19世紀末が多いのではないでしょうか。

シャーロック・ホームズやジャック・ザ・リッパーは魅力的なヴィクトリア朝アイコンとして、映画にドラマに、ゲームにマンガに、現代日本で大活躍です。

正直とてもうらやましい。

これまでは、あまり認知度がなかったり、取り上げてこられなかったディケンズ・・・

でも、でも、それって、もしかしたらこれから魅力を知ってもらえるチャンスなのでは。

ディケンズの小説は基本長いので、とっつきにくいかもしれませんが、面白い作品がたくさんあります。

ディケンズ作品はまさにヴィクトリア朝をうつす鏡。ヴィクトリア朝の人々や社会もディケンズの作品から多大な影響を受けています。

ヴィクトリア朝に関心を持った人にもぜひディケンズの作品にふれてほしい。

それにヴィクトリア朝前半も後半と同じくらい興味深い時代なんです。ディケンズの作品も、ヴィクトリア朝前半の時代の面白さも知ってほしい。

おすすめしたい。なんならごり押ししたい

そしてなによりディケンズ自身がエピソードに事欠かない人なんです。

エピソードや小ネタにつきないディケンズの人となりはまた追々ふれていきたいと思います。

まだまだ現代日本ではあまり知られていない(?)ディケンズという可能性に、どうぞ一緒にお付き合いいただければ幸いです!